③家を買うときは資産性を重視する
持ち家と賃貸の具体的な計算結果で持ち家に軍配が上がりましたが、資産性を考慮しないと持ち家の方が賃貸よりも損をする結果にもなり得ます。
資産性の面から考えると戸建ては土地重視、マンションは建物(管理)重視と言われます。
戸建ての場合、建物は一般的には木造になります。木造戸建ての法定耐用年数は22年程度です。つまり法的には22年で建物の価値は0になります。(減価償却の考え方)
22年は早いにしても築40年、50年の物件を購入してさらに数十年居住するというのは普通に考えて難しいと思います。
つまり戸建ての場合建物(上物)の価値はいずれ「消滅」して「0」になります。
しかし、土地というのはよほどの天変地異や大災害、戦争でもない限り、価値は不変です。
高齢化社会において、地方の田舎の方では過疎化が進んでいきますが、都内の土地の価値は上がっていくと思われます。
大雪が降る地域や買い物に車が必須(何歳まで運転できるか)な地域より、買い物が便利で雪がそこまで積もることもなく、公共の交通機関が充実している都内に高齢者も集まることは想像に難くないからです。
つまり、都内の土地の価値は消えないどころか価値が上がっていくものです。
しかし、都内の戸建ては高く容易に買うことはできません。
そういったニーズを踏まえてオープンハ〇スのような「狭小戸建て」を主に販売する業者が登場しました。
ニーズがある以上決して悪い点ばかりではないですが、狭い土地に新築の使いにくい間取りの細長い家というのは資産性の面から見て、最悪です。
前述の通り、建物の価値というのはいずれ「0」になるものなので、「新築」や「最新の設備」なんかは資産にはなりません。
繰り返しになりますが、戸建ての場合、資産として残るのは「土地」です。
例えば同じエリアの4,000万円の戸建てでも、「35㎡の土地に新築の家」を建てた場合と、「70㎡の築20年の中古の家」の場合。
1㎡あたりの価値が30万円とすると、35㎡では1,050万円の価値の土地、70㎡では2,100万円の価値の土地となります。
つまり建物価格は、新築は2,950万円で中古は1,900万円となります。
また土地の値段は一口に1㎡=30万円とはいっても、1㎡の点在する土地を70個持つのと、まとまった70㎡の土地を一つ持つのとではどちらの価値が高いかはすぐわかると思います。
戸建てが一戸建つ程度の広さの土地(~100㎡程度)であれば、広ければ広いほど価値は上がります。
土地が広いほど住宅用の土地の価値が下がるという話もありますが、それは数百㎡の土地を持っている場合、一つの巨大な戸建てを建てるわけにもいかず、区画を分ける必要があり、その際に土地の中に道路を作る必要があるため、実質利用できる土地が減るという意味で、一般的な戸建ての跡地なんかは広いほど価値が上がります。
新築に魅力があるのは確かですが、大した考えもなく新築にこだわるのは危険です。
戸建ての場合は「土地が大事」というのがわかってもらえたかと思います。
ではマンションの場合はどうか。次回で説明します。